2010-01-01から1年間の記事一覧

「名前のない女たち ― 最終章」 中村淳彦著

名前のない女たち最終章〜セックスと自殺のあいだで (宝島SUGOI文庫)(2010/09/07)中村 淳彦商品詳細を見る評価★★★★ アダルト雑誌出版社勤務、フリーライターを経て、今は疲れ果てて介護の会社を運営している著者が、企画モノAV女優とのインタビューを数本…

「美人論」  井上章一著

美人論 (朝日文芸文庫)(1995/12)井上 章一商品詳細を見る評価★★★ 映画シナリオ評論家の榎本憲男がtwitterで薦めていたので読んだ。美人論といっても、「美人とはどんな顔立ち、どんな風貌の女性をいうのか」について持論を述べたわけではなく、斜め上から「…

「中国の大盗賊」 高島俊男

中国の大盗賊・完全版 (講談社現代新書)(2004/10/19)高島 俊男商品詳細を見る評価★★★ 中国文学の学者である高島俊男が1989年に書いた本で、2004年に大幅修正して新書刊行されたもの。漢の劉邦から明の朱元●(しょう)、李自成、太平天国の洪秀全、さ…

映画 「オーケストラ!」 

評価★★★ 2009年フランス映画。監督も主人公の男性も有名ってわけではないが、ヒロインのバイオリニストに「イングロリアス・バスターズ」の華、メラニー・ロランが出ている。 かつてロシアのボリショイ交響楽団の若き天才指揮者だった主人公アンドレイは…

「V字回復の経営」 三枝匡著

V字回復の経営―2年で会社を変えられますか (日経ビジネス人文庫)(2006/04)三枝 匡商品詳細を見る評価 ★★★★★ 1967年生まれの43歳、ボストンコンサルティング出身の経営コンサルタント三枝匡氏が2001年、なんと34歳のときに書いた経営指南書。不振企業が抜本的…

映画 「ミックマック」 ジャン=ピエール・ジュネ監督作

評価★ 「アメリ」を撮ったジャン・ピエール・ジュネの最新作。偶然居合わせた発砲事件の流れ弾を脳に受け、職を失ってホームレスになった主人公が、ふとした出会いでスクラップを集めて修理・創作する一風変わった集団に仲間入りする。彼らに混じってガラク…

映画 「神の子どもたちはみな踊る」 

評価★★ 村上春樹原作のアメリカ映画。舞台は原作の日本ではなく、米ロサンゼルス。ロサンゼルスに住む主人公ケンゴは、宗教活動に熱心でエキセントリックな魅力を持つ母イブリンとの二人暮らし。父親を知らないケンゴは母に「あなたは神さまの子ども」と言わ…

ノンフィクション 「日本はなぜ戦争をしたのか―昭和16年夏の敗戦」 猪瀬直樹著

日本人はなぜ戦争をしたか―昭和16年夏の敗戦 (日本の近代 猪瀬直樹著作集)(2002/07)猪瀬 直樹商品詳細を見る評価★★★★★ 現東京都副知事の作家、猪瀬直樹が1983年、なんと自身が36歳の時に書いたノンフィクション。タイトルが昭和20年夏の敗戦ではなく「昭…

経済書 「デフレの正体」 藻谷浩介

デフレの正体 経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)(2010/06/10)藻谷 浩介商品詳細を見る評価★★★★ 小飼弾が「今年上半期一番の新書」と絶賛していたこともあり読んだ。 日本経済はいつになれば回復するのか、誰もがその処方箋を口にする。でも07年ま…

「街場のメディア論」  内田樹著 

街場のメディア論 (光文社新書)(2010/08/17)内田 樹商品詳細を見る評価★★★★ 売れっ子社会学者、内田樹の書いたメディア概論。まー、メディア論について、キーボードが進むままに任せつらつら書きなぐった雑文といった方がいい。著者に代わって私が本書のテー…

小説 「飛ぶ教室」 ケストナー著

飛ぶ教室 (光文社古典新訳文庫)(2006/09/07)ケストナー商品詳細を見る評価★ 1933年にドイツの小説家ケストナーが書いた児童小説。これもTBSラジオの深夜番組「life」の「この夏に読むべき一冊」コーナーで紹介されていたので買って読んでみた。 ワタ…

映画 「フェアウェル、さらば哀しみのスパイ」

評価★★★★ 「フェアウェル事件」という、スパイ発覚事件の実話をもとにしたフランス映画。舞台は東西冷戦時代、1981年の旧ソビエト連邦の首都モスクワ。当時のKGB大佐が、モスクワに駐在していたフランスの家電メーカーの技師に重大な機密情報を故意に…

教養 「先生はえらい!」 内田樹著

先生はえらい (ちくまプリマー新書)(2005/01)内田 樹商品詳細を見る評価★★★★ 岡田斗司夫が絶賛していたので面白そうだったから読んでみた。「先生は白馬に乗った王子様のごとくやってこない。あなたが探すのです」という、最初の方に出てくる文章が象徴する…

ハリウッド・リライティング・バイブル (夢を語る技術シリーズ)(2000/02)リンダ シガー商品詳細を見る評価★★★ 2000年刊行。ハリウッドの著名な脚本コンサルタント、リンダ・シガー氏が書いた、脚本をリライト(推敲)する際の実践的ガイドブック。リライ…

小説 「サマーバケーションEP」 吉田日出男著

サマーバケーションEP (角川文庫)(2010/06/25)古川 日出男商品詳細を見る評価★★ TBSラジオ「life」を聴いていたら、夏に読むべき一冊というテーマで本書が取上げられていた。収録には文芸評論家の佐々木敦がいて本書をとりあげて高く評価し、チャーリーほ…

映画 「ペルシャ猫を誰も知らない」 バフマン・ゴバディ監督

評価★★★★★ 監督は、「亀は空を飛ぶ」を撮ったイラン人の、といってもイランの中で人口比で7%しかいないとされるクルド人のバフマン・ゴバディ。同監督の映画を観たのはわたくし今回が初めてだが、こんなにも愉快な監督がイランにいるとは思ってもみなかっ…

eiga

サイエンス書 「脳を鍛えるには運動しかない」 ジョン・レイティ著

脳を鍛えるには運動しかない!―最新科学でわかった脳細胞の増やし方(2009/03)ジョン J. レイティエリック ヘイガーマン商品詳細を見る評価★★★★ ハーバード大学医学部のジョン J. レイティ准教授が書いた、タイトルそのままに運動すれば脳が鍛えられるっていう…

社会評論 「ネクストソエサイエティ」 ピーター・F・ドラッカー

ネクスト・ソサエティ ― 歴史が見たことのない未来がはじまる(2002/05/24)P・F・ドラッカー商品詳細を見る評価★★★ 「日本では誰でも経済の話をするが、日本にとって最大の問題は経済ではなくて社会の方にある」 前書きに出てくるドラッカーのこの文章を目に…

評価★★★★★2009年アメリカ・メキシコ映画。監督は米国人だが日系3世の子供だというキャリー・ジョージ・フクナガ。1974年生まれの若い監督の映画デビュー作である。 デビュー作といってもあなどるなかれ。監督は本作品をつくるため、危険を承知で御…

映画 「告白」 中島哲也監督

評価★★★「下妻物語」「嫌われ松子の一生」で有名な中島哲也監督の最新作。Twitter上で話題になっていて、多くの人が面白いと感想述べていたから観に行った。原作は本屋大賞を受賞した湊かなえの同名ミステリー小説。 内容は、ある中学校の終業式の日、女性教…

科学エッセイ 「ゾウの耳はなぜ大きい?」  クリス・レイヴァース著

ゾウの耳はなぜ大きい?―「代謝エンジン」で読み解く生命の秩序と多様性(2002/07)クリス レイヴァーズ商品詳細を見る評価★★★★★ 著者は子供の頃、「なぜアフリカのサバンナにいる大型動物は哺乳類ばかりなんだ?」という疑問をもった。図書館に行けばわかるだ…

ビジネス書 「かばんはハンカチの上におきなさい」 川田修著

かばんはハンカチの上に置きなさい―トップ営業がやっている小さなルール(2009/08/28)川田 修商品詳細を見る評価★★★ 2009年ダイヤモンド社刊行。ワタシが買った本書はすでに10刷と、けっこう売れているみたい。切込隊長が薦めていたので読んでみた。 本は…

映画 「17才の肖像」 

評価★★★★★ 2008英映画。ロネ・シェルフィグ監督作。脚本は「ハイフィディリティ」や「ぼくのプレミアライフ」などの青春小説で有名なニック・ホーンビィ。わたしの好きな小説家でもある。内容は、裕福とはいえないまでも普通の家庭に一人っ子として育っ…

ノンフィクション 「BORN TO RUN 走るために生まれた~ウルトラランナーVS人類最強の”走る民族”」

BORN TO RUN 走るために生まれた~ウルトラランナーVS人類最強の”走る民族”(2010/02/23)クリストファー・マクドゥーガル商品詳細を見る評価★★★★★ 著者は、元AP通信記者でライターのクリストファー・マクドゥーガル。メキシコ奥地の“走る民族”タラウマラ族と…

映画 「息もできない」 ヤン・イクチュン監督

評価★★★ 08年韓国映画。新鋭ヤン・イクチュンのデビュー作で、彼は監督だけではなく製作・監督・脚本・主演までひとりでこなしている。数々の国際映画祭の賞を受賞したらしく、前評判が良かったから、期待して観にいった。 借金の取り立てを生業とする一人の…

「12歳でも分かる 決算書の読み方」

12歳でもわかる!決算書の読み方~お金のことを知らずに「社会人」になってしまった人の会計入門~(2010/02/19)岩谷誠治商品詳細を見る評価★★★★★ 決算書の読み方を学びたいと思っている人にはもってこい、一度読めば忘れないくらいの、すこぶる分かりやすい本。…

「仕事するのにオフィスはいらない − ノマドワーキングのすすめ」 佐々木俊尚著

仕事するのにオフィスはいらない (光文社新書)(2009/07/16)佐々木 俊尚商品詳細を見る評価★★★09年7月光文社新書から刊行、著者は元毎日新聞記者のITジャーナリスト、佐々木俊尚。彼は同じく09年に「2011年 新聞・テレビ消滅」という新書を出していて、イ…

「方向音痴の研究」  日垣隆著

方向音痴の研究 (WAC BUNKO)(2007/04)日垣 隆商品詳細を見る評価★★タイトルがずいぶん面白そうだから釣られて買っってしまった。著者は日垣隆だけに、綿密な取材に裏打ちされたノンフィクションだと思って買ったのだが、なんだ、彼がアンカーを務めるTBS…

映画 「マイレージ、マイライフ」

評価★★★ ジョージ・クルーニーと言えば、男のオレから見ても色気を感じる、セクシー俳優。セクシーさはすなわち派手さでもあるから、彼が主役を張った映画は彼がどう演じようと、どうしてもなまめかしい雰囲気ともにゴージャス感が醸し出されてしまう。その…