映画 「127時間」 ダニー・ボイル監督

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評価★★

  
 米アカデミー作品賞作品「スワムドッグ&ミリオネア」を撮ったダニー・ボイルの最新作。登山中の事故で手を岩に挟まれて生死の境目をさまよった登山家のノンフィクションを原作に迫力あるエンターテイメント風に仕上げたノンフィクションドラマ。主役はスパイダーマンシリーズのジェームズ・フランコ

 米ユタ州のブルーション・キャニオンでロッククライミングなどのエクストリーム系登山を楽しんでいた登山家のアーロンは、石とともに足を滑らせて岩場に右腕を挟みこんでしまう。助けを呼ぼうにも人気の少ないブルーション・キャニオンの深い峡谷、しかも足を滑らせて落ちてしまった岩壁に挟まれた隙間、岩は硬くて右手はまったく動かない。なんとか左手をつかって水を飲み、バックパックにある食料を摂り、ムービーカメラで記録を撮る。そして5日が過ぎ、水も食料も尽きてきた頃、アーロンは挟まれた右腕をサバイバルナイフで落とす決断をする。

 さて、この映画を観る前の予告編の出来が非常によく、しかも監督はダニー・ボイル、かなり期待して観たのだが、最後がダメだった。水も食料もなくなりかけて朦朧としている時、ほとんと脈絡もなしに急に親戚の赤ちゃんがたびたび出てくる。右手を落とす動機付けのためだろうけど、自分の息子でもない。終わりよければすべて良し派のわてくしにはまったく感情移入できず、感動できなかった。期待していただけに残念なり。