投資入門 「なぜ投資のプロはサルに負けるのか」 藤沢和希

なぜ投資のプロはサルに負けるのか?― あるいは、お金持ちになれるたったひとつのクールなやり方なぜ投資のプロはサルに負けるのか?― あるいは、お金持ちになれるたったひとつのクールなやり方
(2006/12/08)
藤沢 数希

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評価★★★★

  科学者から外資投資銀行クオンツ(研究者)に転身し、金融工学を駆使してトレーターのために計量モデルを研究開発している著者が、ブログに書いていた日記、それをもとにつくられた本。
 
 とはいっても著者は、年齢も所属も明らかにしておらず、おそらく、まだ30代半ばか、いってても45才くらいだと思う。内容は、情報伝達のスピードが早い現代の株式市場では、株価の上げ下げを予測しても当たるのは運で、人気ファンドマネージャーといえども、彼らにタイする高い給料を払うコストの分だけサルにすら負けるという、昨年読んだナジーム・タレブの「まぐれ」と同様のことを、科学者らしく理論的に、かつわかりやすく説明していく本。要するに、人間なら誰しもオーバー・コンフィデンス・バイアス(過剰自信によるバイアス)がかかっているという、心理学的真実をみんなが受け入れられないから株式市場は上手に調整され、かつ面白いわけだ。どれもワタクシらにしてみたら「目からウロコ」、逆にプロの金融マンからしてみたら身も蓋もない正直すぎるであろう内容に感心を覚える。しかも、最後には一般投資家にしてみれば、非常に説得力のある投資ノウハウ(というか推奨商品)まで書いてある。
 
 個人的にはタイトルが悪いし、この種の本は好きではない。古本屋で300円で購入したのはいいが、読んでると言うのは若干はずかしくて誰にも言わなかったw。でも、
が内容は前述したとおり、すこぶる充実している。いい意味で裏切られた。