映画 「それでも恋するバルセロナ」 

ば

評価 ★★★★

 生粋のニューヨークっ子、ウッディ・アレン監督の最新作。
 
 今回も、同じニューヨークっ子、スカーレット・ヨハンソンのこと(一部ではスカジョというらしいw)が出ている。彼女のことはもう5年くらい前だろうか、東京を舞台にしたソフィア・コッポラの映画「ロスト・イン・トランスレーション」で初めて知ったんだけど、今ではハリウッドの看板セクシー女優に出世しちゃった。なにせ、彼女の唇って、肉付きがよくて、なまめかしくいんだもん。惚れ惚れする、ってか、アフロディジアックだと思う。彼女が、メイベリン・ニューヨークのウォーター・シャイニーあたりをつけ(ちょっと古くてすみませんw)、喫茶店あたりで本を読みながら時折ため息なんてついていたら、想像しただけで、ご飯3杯は食べられるね(この表現、使ってみたかっただけですがw)。
 ただ、彼女、実は歌手デビューもしていて、それもなんと、トム・ウェイツのカバーばっかりのオルタナ風マニアックなCDを出しているから、自身はハリウッドのセレブ、セクシー女優みないな意識はないのかも知れない(http://www.amazon.co.jp/Anywhere-I-Lay-My-Head/dp/B0014IH1N6/ref=sr_1_4?ie=UTF8&s=music&qid=1249035944& sr=1-4)。

 さて本映画の原題は、「ジャッキー、クリスティーナ、バルセロナ」。レベッカ・ホール演じるジャッキーは堅実な生き方を志向し、恋にも誠実、慎重なタイプ。一方の友人、スカジョ演じるクリスティーナは、いまだ自分探しを続けるアーティスト系、恋にはリスクがあってこそ楽しいと、自由奔放な生き方を志向するタイプ。その二人のアメリカ人が旅行先のバルセロナで、一人の画家の男性(ハビエル・バルデム)に出会う。彼は、画家の世界では有名なプレイボーイ。クリスティーナは一目で恋に落ち、彼のような人間を嫌うジャッキーですら最初こそ彼を否定するも徐々に彼を受け入れることで、恋の三角関係に発展してしまう。とはいえ、恋の勝者はたぶんに積極的なクリスティーナ。彼女は彼を捕まえ、彼のアトリエに住み始める。しかし、そのアトリエには心の病気を抱えた前妻マリア(ペネロペ・クルス)が戻ってきて、クリスティーナとハビエルを含む三人一緒の生活が始まる。
 
 あらすじは単純で、くだらなさが楽しい恋愛映画。恋愛映画って、観る人の恋愛観がかかわるから難しい。しかも、プレイボーイの男優役は「ノーカントリー」で狂気の殺人者を演じたスペイン人、ハビエル・バルデムだから「なぜ、こんあ男がモテ系」と思う人もいるだろう。一貫するテーマも物語性もなければ、いわくありげなメッセージもない。それでも、すっごく面白かった。この映画でペネロペ・クルスはアカデミー助演女優賞を受賞したんだけど、それもそのはず、妖艶な彼女がびっくりするほど鬼気迫る、アタマのいかれたアーティストを演じてくれているんだもん。その昔、成田空港にトム・クルーズと手を繫いで降り立った頃の、あどけなさはまったくない。しかも、なんと、一瞬だけど暗室でのスカジョとのキスシーンもある。それだけで観る価値があるかな。