映画「近距離恋愛」

評価★★★

　原題は”Maid of honor"（花嫁の付添い人）のラブコメディ。

　２夜連続で同じ女性とはベッドを共にしないスタイルを貫く好色家だが、常に自分の気持ちを誰にでも正直に伝えることのできる主人公トム。彼には、そんな自分を理解してくれる10年来の親友ハンナがいた。あるとき、ハンナは仕事でスコットランドに長期出張、彼女の不在に耐え切れず込み上げる寂しさを感じたことでハンナを愛していたことに気付いたトムは、ハンナが帰ってきたら求婚しようと心に決める。
　でも、肝心のハンナは、スコットランドで出会った新しい恋人を連れて帰国、しかもすぐに結婚するという。トムはなんとかして結婚を引き止めようと思うが、相手はスコットランドの醸造所の息子、代々男爵の称号を有する名家の出。体は大きくアソコも大きくｗ、心は鷹揚で人柄もいい。結局、不首尾に終わり、トムはハンナの花嫁付添い人としてスコットランドに赴く。果たして二人は結ばれるのか。。。

　ありがちがなストーリーだが、ユーモアが豊富で随所に笑えて予想以上に楽しい。トム役のパトリックデンプシーはけっしてカッコいいとは思わないが、ドンファン的な二枚目とコミカルな三枚目の間を行き来する忙しい役回りを自然に演じている。ハンナ役のモナハンも私のタイプではないが、時折見せる笑顔がキュートだ。それと、なんと言っても終盤で二人が見せるキスシーンが素敵だったｗ。なんていうか、誘い出すキス。最初は互いに抑制し、唇に軽く触れる程度。恥じらいが先行するせいか、少し離れて、また触れる、その繰り返し。でもその数秒後、ドキドキと高まり行く心臓の鼓動に率いられていくかのように徐々に激しさを帯びながら絡み合っていく感じ。熱烈だけど、抑制の利いているため、色香（エロティックさ）が倍増する。ああいうキスって、理想的かもｗ。