映画「そして、ひと粒のひかり」 (2005.12.4)

そして、ひと粒のひかりそして、ひと粒のひかり
(2006/04/07)
カタリーナ・サンディノ・モレノ

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 評価★★★★

コロンビアの特産といえば、コーヒーと切花。どっちも世界有数の輸出国。ついでにいえば、「百年の孤独」の作家、ガルシア・マルケスが生まれた国でもある。「百年の孤独」読んだ時は、主人公ウルスラの母としての強さと作品のスケール感に感心して、この作家を生んだ、コロンビアに行ってみたいと思ったものだ。でも、やっぱ、貧困ゆえに、今なお多くの麻薬組織が跋扈する国でもあるんだった。

 映画は、麻薬取引に巻き込まれた少女の話。軽薄さに愛想のつきた男の子を身ごもった17才のマリアが、仕事を求めて麻薬の運び屋となることを決意。ゴムでくるんだ、ぶどうの粒状の麻薬を飲み込み、ニューヨークまで運べば、5000ドルの報酬を手に出来る。でも当然、米国の警察は、コロンビア人の入国に目を光らせ、しかも、もしゴムが破れれば、死に至る。
 
 かなり重いテーマだけど、内容は、かなり前向き。主人公は常にポジティブ。一生懸命さに救われる。最後のシーンなんて、格好いいもの。ちょっと、アメリカンドリームな映画かなw。

 素晴らしいと思うのは、この邦題、「そして、ひと粒のひかり」。原題は "Maria, full of grace"だが、そのままだと、「慈悲深きマリア様」みたいになるんじゃないかな。