映画「運命をわけたザイル」 （２００５．１１．２７）

運命を分けたザイル (2005/08/26) ジョー・シンプソン 商品詳細を見る

評価★★★★

　二人の英国人登山家、ジョーとサイモンが1995年、ペルーの高峰、シウラ・グランデの西壁にチャレンジするするも、途中、ジョーが骨折、クレパスの中に遭難。なんとか自力で帰還することに成功した、真実の物語をつづったドキュメンタリー。
　
　冒頭、氷壁にアイススクリューを打ち込むシーンからスタート。互いにザイルをつなぎ、絶壁としか思えない急峻な氷の坂を、ピッケルとアイゼンで登っていく。夜は雪穴をほってビバークだ。そんな過酷な登攀シーンを、とうやって撮ったんだろ！！！　そんなシーンが連続し、それもすべてＣＧ処理ではないらしいから、ビックリする。
　登頂に成功したものの、下山し始めで、ジョーが骨折。滑落して絶壁の側で宙づりになり、このままでは二人とも死ぬと確信したサイモンがザイルを切って、一人下山する。ザイルを切られたジョーは、クレパスの中に落ち込む。水も食料もない氷の世界、ジョーは死を覚悟する。しかし持ち前の精神力で、気を取り直し、なんとか生還するんだ。
　普通、クレパスの中から生還することなんてない。すべては奇跡的な運命によって、助かるわけだが、ここでも圧巻はその映像。もしかして、撮影カメラマンは、世界有数の登山家でもあるのかい！？
　
　因みに、ザイルを切ったサイモンは帰国後、それこそ相当な非難を受けたらしいが、今は元気に快復したジョーがそれを擁護するために書いた本が原作となったらしい。