漫画「神々の山嶺」 谷口ジロー (2005.9.17)

神々の山嶺(いただき) (2) (BUSINESS JUMP愛蔵版)神々の山嶺(いただき) (2) (BUSINESS JUMP愛蔵版)
(2001/08)
夢枕 獏谷口 ジロー

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評価★★★★★

 たまたま、喫茶店に置いてあったので手にとったら、見事ハマっった。夢枕獏の原作は読んでないので、漫画だけについて書かせて欲しい。
 
 山岳漫画。でも、これほど山の迫力を感じ、震える作品はないと思ったぜ。
 
 エベレスト登山隊のカメラマンとして、ネパールのカトマンズを訪れたカメラマンが、古道具屋で古いカメラを発見。実は、そのカメラ、エベレスト初登頂を目指したけど、途中で消息を絶ったマロリーのカメラらしきもの。写真を現像できれば、エベレスト初登頂が本当は誰なのか、登山史最大の謎に迫る可能性を秘める。でも、そのカメラマンは、その謎を追ううちに、現地で日本人登山家・羽生に出会い、彼の人生に興味を抱いていく。
 ストーリーも面白いけど、強烈なのは漫画よ、絵そのものよ。その登攀(とうはん)シーン。眼前に迫り来る岩壁、岩肌、その存在感たるや、もうビックリ。モンブランの登りなんて、体がガクガク震えるほどの迫力だぜ。登山の経験がなくても、その強烈なパワーに圧倒されるはずさ。
 谷口ジローは、力強いペンタッチで、迫力ある表情を描んだよ。それが、ストーリーと人物像にピッタリだ。オレは、去年までで日本百名山のうち、10山ほど登ったことがあるんだけど、これを読んで、また山に登りたくなった。