ヒトラー最後の12日間(2005.7.5) 


評価★★★★

あまり戦争や歴史ものは好きではないのだが、
新聞・雑誌等で評価が高いので観た。

予想以上に面白かったし、考えさせられた。
ドイツでは、ナチズムを一般のドイツ人とは切り離して、ヒトラーを人間とは思えない狂った生き物としているとは良く耳にすること。でも、この作品では、
ヒトラー、そして彼に関わる人たちの人間性(意地とか権力欲とか、そして愛情とか)に焦点が当てられている感じ。この監督の前作「es」(監獄の看守も群集心理で集団リンチに参加してしまうという作品かな)も共通しているが、人って時と場合によって狂気を醸成しうるものだ、彼らは同じ人間であるということが言いたいのだと実感した。

そう考えるのは、オレが日本人かな。役者も上手だし、矮小なヒューマニズムに陥らないのも良かった。手塚治虫の「アドルフに告ぐ」にも似ている。

あと、うちの会社もそうだが、組織って恐ろしいね。うちの社長も裸の王様度が年々激しくなっており、いずれ決定的な判断を誤りそうで、ちょっと怖くなった。